読書– 読む –
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『菜食主義者』感想 | 深く深く暗く
正気じゃないと思った。でも、お前の言う「正気」とはなんだ、とふと反問したくもなった。 1篇目、『菜食主義者』。『夢を見てたの』。ある日見た悪夢を境に、ヨンヘは急に菜食主義者になった。それ以降彼女は徐々に変わっていく。夫や家族は、一方では彼... -
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『史的システムとしての資本主義』感想 | 世界システムの現在地
資本主義は全世界でただ1つの実体である。それを「史的システムとしての資本主義」と名付けよう。 『世界システム論』でよく知られるウォーラーステインは、この宣言から分析を始める。 もちろん資本主義を歴史上唯一の実体と見るからには、その分析は、現... -
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『闘うレヴィ・ストロース』感想 | 近代の外の豊かさ
レヴィ・ストロースは、構造を持ち出すことによって、いったい何と闘っていたのか。 この本は、レヴィ・ストロースの思想を解説する本ではない。むしろ、彼の思想の背景、闘争にこそ焦点を当てたものだった。 私にとって意外だったのは、彼が青年時代は社... -
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『センス・オブ・ワンダー』感想
この本を読み終わって、セミがまた鳴き始めた雨上がりの街を散歩した。通り過ぎた家からはシチューの香りがした。いつもは見落としていたことにふと気づく、ただの生活の断片。 『センス・オブ・ワンダー』には、小さなもの、忘れ去られたもの、命に対する... -
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『現代社会の存立構造』感想 | 物象化から読み解く現代社会
真木悠介&大澤真幸の『現代社会の存立構造』は、私が高二の夏に読み始めて、何度も中断・リトライを経て、ようやく大学一年の夏に完読した本だ。何度も挫折しながらも読んだ甲斐のある、すごい本だった。前半の真木論文もさることながら、後半の大澤解説も... -
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「まなざしの地獄」×「引き裂かれた自己」感想 | 深層の孤独
演技は社会に欠かせない。演技それ自体は正常な反応である。 しかし、演技から抜け出せなくなってしまうのはなぜだろう。そのうちに「ほんとうの自分」が消えてしまったように感じられるのはなぜだろう。 今回読んだのは、『引き裂かれた自己』と『まなざ... -
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『関心領域』感想 | 無感動の倫理
『関心領域』を観た。ただ淡々と観ていた。けれどその無感動そのものが、この映画の倫理なのかもしれない。感情的消費と無関心について -
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本と私の間 〜高校の終わりに〜
30565ページ、109冊。私が高校時代に読んだ本の量だ。1日30ページと考えれば大した量ではない。(ちなみにこれは読書メーターで数えた)。中学から読書好きだったのかというとそうでもなく、高校に入って何となく読み続けてたら、こだわりが形になった。私が... -
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『虐殺器官』感想 | 精神分析で読む
(※「虐殺器官」をすでに読了した方は、前半を飛ばしてください!!) あらすじ紹介(未読者向け) 「虐殺器官」は、間違いなくディストピア小説の最高傑作だ。少なくともわたしの知る限りでは。 だからこそ、人にはあまり薦めたくない。 なぜならディストピア... -
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『人間そっくり』感想 | 異常者はどちら?
わたしの「青色」と、あなたの「青色」は同じなのか。言葉でつながっているはずの世界は、実はズレたまま成り立っているのかもしれない。 それでも私達はわかりあったつもりで生きている -
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『東京都同情塔』感想 | 想像の同情と象徴の塔
カタカナ語、正しさ、共感。 全部がズレたまま進むとき、世界は“大独り言”になる。想像とすれ違いが加速して、言葉と秩序が廃れゆく、この独り言時代の予言の書。 -
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『斜陽』感想 | 夕と朝
『斜陽』をもう一回、読んでみる。太宰のなかで最も好きな小説の一つ。やはり、文章が美しい。 再読すると、多くのことに気づく。その気づきが今回のテーマだ。(今回は「斜陽」既読者に向けた記事だから、ネタバレを大いに含むことをご了承いただきたい。)... -
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『無理ゲー社会』感想 | 天才のユートピア、凡才のディストピア
努力すれば報われる——その前提自体が間違っているとしたら? 能力も「やる気」も生まれつき偏っている世界で、私たちはなぜ自己責任を信じてしまうのか。『無理ゲー社会』をもとに、この社会の“勝てない構造”を解剖する。 -
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『大人の教養』感想 | 私たちはどこから来てどこへ行くか
教養とは何だろうか 「教養が大事」という主張はよく聞くが、その意味するところは意外と曖昧だ。 そのような教養主義の一方で、「インテリぶっている」とか「ひけらかしている」と知識を揶揄する声もよく聞かれる。このことが端的に「教養」の混乱を示し... -
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『かわいい論』感想 | 「かわいい」は暴力ではないのか?
「かわいい」はなぜ”暴力”になりうるか まず「かわいい」は無条件に良い言葉ではない。「かわいい」は人を縛る言葉になりうる。 それは例えば「頭がいい」という言葉も暴力になりうるように。もちろん通常は相手の賢さを褒める意味で使われる。しかし例え...
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