1ヶ月で絵はどれほど上達するか、の記録

私は要領がいい。

受験期、パステル画を見るのにハマった。受験後、「ブルーピリオド」にハマった。時間はあった。だから絵を描こうと思った。

そこで考えた。絵はどれくらい練習したら、どれくらい上手くなるのだろうか?

これは、身をもって、「1日1時間、1ヶ月30時間」でどれくらい絵が成長するのかを試した記録だ。最初は1日1時間で進めていたのだが、途中でサボり、たまに一気に描いて、「1ヶ月」ではなくなってしまったから、最初の「30時間」の記録だと思って見てほしい。

これまで美術部に属していたことはないが、昔から絵は凡人のなかではそこそこうまく描けたので、上の中くらいの力量はあった。だからどれくらい参考になるかはわからないが、ひとつの実例として見てくれたら嬉しい。

目次

Day30までの軌跡

Day0

対照するために、練習を始める前に描いた絵。デッサン用の鉛筆(HB〜8B)と練り消しを買った直後。気合い入れて1時間半描いたから、案外うまく描けてしまった。「これ企画倒れじゃね……」と内心危惧した。

Day1,2

よし、今日からと気合いを入れて、「はじめてのデッサン」なる本を買った。直方体、円柱形と練習している。

Day3

筆箱のデッサン。高校1年の美術の授業で同じく筆箱のデッサンをしたのがとても懐かしい。(この3日後が卒業式だった)

Day4,5

本当は1日で描きあげたが、2時間かけたので2日分のカウント。いちごの質感をうまく捉えられずに、ゴツゴツした岩のような物体が出来てしまった。反省点は明確で、下描きの段階で種の位置を決めておらず、「あとで練り消しで抜けばいいだろ」と安易に考えていたこと。いちごの種は案外大きいし、その周囲は窪んでいて光を反射しやすくもなっている。表面のツルッとした質感を出すためには、そうした観察がもっと重要だったな、とあとから反省した。

Day6,7

Day6,7は、静物デッサンも飽きてきたからクロッキーをやった。意気込んでクロッキー帳も買っちゃった。使ったのは「30秒クロッキー」のwebサイトで、2分か3分くらいで描いていたはず。下の絵は時間外にササッと描いた祖母の姿。明確に線で描くのではなく、明暗の面で描く意識で描いた。

番外編。こっそり落描き。壁が表面ザラザラすぎてチョークじゃ全然うまく描けなかった
Day8

Day8のテーマは金属。合格発表後でデッサンのやる気が再燃してる。スプーンの鏡面反射をそこそこに再現して、金属の質感を出すために、濃いめの鉛筆で明暗のコントラストを強烈につけることを意識した。金属は、描いてると急に金属っぽくなるから楽しい。

Day9,10
(顔は人権に少し配慮してぼかし加工してます)

母。映画を観てるなら動かないで欲しい。そのせいで左手の位置が微妙になってしまった。リアルタイムで人を描くなら、最初に素早くあたりを取るべきだな、と反省。物体は多少比率が乱れてもバレにくいため簡単だが、顔を描くのはとっても難しいと再認識させられた。いつか似顔絵を集中的に練習するつもり。

Day11

ビニールを描いてみた。表面の光に惑わされて、大まかな袋の形を捉えきれてない。あと、ビニールによってできる独特な影の形も、うまく描けていない。立方体のパースも少しおかしい。残念

Day12

自画像。鉛筆で修正しながら描き続けていたら、全体的に黒っぽくなってしまった。顔は下手。

Day13

2分クロッキー再び。足が短くなってしまいがち、という欠点に気づく。膝は点じゃなくて縦長の楕円球で描いたり、鎖骨や胸筋を描くとバランスが捉えやすくなるなどの気づきが結構あった。

Day14

家から透明水彩キットが発掘されたから、試しに使ってみた。透明水彩と水彩の違いも知らず、スケッチブックに単に水彩風景画を描こうと思って盛大に失敗している。そもそも水彩画も人生でほぼ描いたことないのだから当然か。前日にモネ展を見に行ったせいか、下の絵の色彩の赤+青で輪郭を二重に書いてる部分などはその影響が大きい。この色使いは好き。透明水彩の武器たる滲みをもっとうまく使いたいね。

Day15

帰省やら卒業旅行やらオリ合宿があって、久々に絵を描いている。線が硬かったから、途中からボールペンで勢いよく描こうと試みた。まだまだポーズに勢いが無いというか、妙にバランスが良いところで落ち着いてしまっている。勢い、はひとつの課題。

Day16

「倫理資本主義の時代」という本の表紙の、マルクス・ガブリエルを模写。この人は哲学者として嫌いだが、思想の話はまた別の機会にしましょうか。模写はうまくできた。メガネで顔のバランスが取りやすかったおかげかも。

Day17

東大美術サークルの見学会に行った際に描いたクロッキー。物理の初回授業はどうせガイダンスだろと決めつけていたら、授業開始十分後から講義が始まってしまい、サークルの方々と会話しながらクロッキー描いて授業を受けるという、スーパーマルチタスクとなってしまった。はっきりと線が雑。そのときの方々には失礼しました笑。

Day18,19,20

人生初パステル画!レンブラントの30色ハーフパステルと、vifArtF4中目のスケッチブックが届いたため、パステル画を描いた。受験期からずっとやるのが夢だったから、すごく楽しかった。白が残って閉まってる部分とか、背景の建物の赤の主張が強すぎて、視線誘導が大失敗してるとかいろいろ反省はあるが、遊びながら新しい画材を試せたのはすごくよかった。

Day21,22,23

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の模写。正直、我ながら上手いと思った。これ人生2回目のパステル画なんですよ、自慢だけど。

Day24

再びモネ展に行って、小さな画集を買ったので、その模写。「印象・日の出」。全体的に色の継ぎ目が雑なのと、空のオレンジが強すぎて浮いてしまっている。指でぼかすのも慎重にやらないと、均一でのっぺりした絵になってしまうし、色が濁って重たくなってしまうことに気づいた。

Day25,26,27

2日前に写真文化研究会の新歓で、葛西臨海公園に行った帰りの写真をパステルで描いた。街を黒く描き手前の岸も黒く書くことで、明暗のコントラストが生まれ、画面全体が引き締まっている。「1番明るい白は、何も描かなかった白」という信条のもと、日の部分は粉が乗らないように注意した。水面も同様に描いたあと、最後に、絵の上で白パステルをカッターで削ることで白い粉末を水面の反射とした。影は黒っぽく描いたが、本当に黒く描くと影の情報が消えてしまうので、他の色と混ぜて使っている。

Day28

東大美サクに入会した日に描いた絵。紙が高いから、マルマンのスケッチブックで何とかならないものかと考え、先輩のスケッチブックに試し描きさせてもらっていた。これは、そのとき「せっかくだしなんか描いてよ」と言われてササッと描いた絵。意外とマルマンでも描けるじゃんと思ったが、あとから気づいたのは、塗り重ねるにはあまり向いていないかもしれないということだった

Day29

ポストカードに描いた。表面がツルツルで粉が乗らなかったから、描くのに苦労した。結果として、普段色が濃くなってしまいがちな空の青色が薄く描けたからいい感じ。ビルの窓などの細かいところは、普通のソフトパステルで描くのが難しくて断念した。空はいい感じ。ただし二度とポストカードには描くまい、と誓った。

Day30

午前の授業をサボって描いた絵。砂浜の波が右奥から左手手前へと向かってきているのに、海の波は左奥から右手前へと動いているのはミスです。あとから気づきました。あとは月の描き方はわりと下手くそ。波は、影になる手前部分を濃く暗く描いて、光を反射する上面部分は白を重ねて淡く濁らせることで、海っぽい見た目を演出できたと思う。

30日。結局1番変わったのは、描き方より見え方かもしれない。

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